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「日本では殺人や虐待などの犯罪が容易に見逃される」
いま日本が直面している“危機的状況”を、こうした言葉で指摘する声が法医学者たちから挙がっている。厚労省によると日本の死者数は2022年には約157万人に達し、そのうち病死を除いた“異状死”は約20万人に上るという。その中でも犯罪の疑いがある遺体の死因を解明するのが法医学者だ。しかし、日本における解剖率はわずか1割ほどで、先進国の中では圧倒的に低く、常勤の法医の人数も全国で150人程度しかいないという。こうした現状に警鐘を鳴らすのが、司法解剖に初めてCTを用いた『死後画像診断』を取り入れた千葉大学の岩瀬博太郎教授だ。
「実際は病死ではなく事故死であったり、殺人事件が事故や自殺として見逃されてしまったりするケースは、数え上げればキリがない」とした上で、岩瀬氏は「日本の死因究明制度は岐路に立っている」と強い危機感を抱いている。
法医学の現場で今、何が起きているのか?日本における解剖を巡る課題は?生きる事と死ぬ事とは何か?そして「生きている人を診る」新たな試みとは?
落合陽一が、法医学の“知られざる実態”に迫る。
ゲスト:岩瀬博太郎(千葉大学附属法医学教育研究センター センター長・教授/解剖医)
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