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山本周五郎は同じ筋をどう深めたか——
だだら団兵衛 平八郎聞書 山だち問答 山本周五郎 発展の系譜
今回は、ご要望のあった、山だち問答、の復刻ということで、山だち問答との姉妹編、だだら団兵衛、と、平八郎聞書、の二作品を、再録しました。
1932 だだら団兵衛 -祖型
1942 平八郎聞書 -姉妹編
1946 山だち問答 -完成形
の順で発表されました。
- だだら団兵衛 は最も講談的で、豪傑譚の勢いが前に出ています。
- 平八郎聞書 は骨格の近さを保ちながら、出世と転落の線を強めています。
- 山だち問答 は世評、恋、再生まで載せて最も人情化されています。
### だだら団兵衛
- だだら団兵衛 は 「平八郎聞書、山だち問答 」の元になった作品。
- 共通する骨格は、主命を帯びた武士が峠で山賊に出会い、帰路に身ぐるみを渡すと約束し、その約束を本当に守る、という一点です。
- 後年の 山だち問答 は、同じ骨格をより深く人情化しています。
- だだら団兵衛 は 1932年の初期作で、豪傑、講談調、痛快、奇譚寄りです。主人公の大きさや山賊とのやりとりも、見世物としての面白さが前に出ています。
- 山だち問答 は 1946年で、同じ骨格の上に 世評、破談、家人離散、小雪との再生 まで載せています。つまり約束そのものの妙よりも、その行為が世間にどう誤読されるか、人はどう生き直すか、のほうへ重心が移っています。
- 筋の再使用というより、初期の講談的原型を、後年の山本周五郎が人情武家ものへ発展させたと見るのが妥当です。