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■月と手袋
1955年オール読物に発表された短編探偵小説。明智小五郎が、登場する。
北村克彦は、股野重郎の妻・あけみと逢瀬をかさねていたが、重郎に知られてしまい、脅しを受ける。言い合いとなった克彦は、重郎を絞め殺してしまう。
克彦は罪を逃れ、あけみと一緒になるために、完全犯罪をもくろむ。それは成功しかかるに見えたのだが、警視庁の花田が現れたことで雲行きが怪しくなる。花田の背後には、名探偵・明智小五郎がひかえていくるらしく……
■本編の登場人物
北村 克彦……シナリオライター。35歳。あけみと不倫している。
股野あけみ……元女優(夕空あけみ)で重郎の妻。
股野 重郎……元男爵の高利貸し。42歳。
花田 警部……警視庁の警部。
明智小五郎……名探偵。警視庁捜査一課に助言をおこなっている。
■用語集
元利……ガンリ・元金と利息
前借……ゼンシャク
狂躁……キョウソウ・狂ったような騒がしさ
意力……イリョク・意志力
情死……ジョウシ・心中
扼殺……ヤクサツ・手で首を絞めて殺すこと
用箋……ヨウセン・便箋
痛痒……ツウヨウ・精神的、肉体的な苦痛や、物理的な損害。
■明智小五郎
この事件では、貧窮書生として登場。身なりにも気を遣わず、もじゃもじゃの髪をすきまわすくせがある。二十五をこしてはいないそうですが、すでにかなりの変人。評判が良かったため、本作以降も登場「心理試験」。乱歩の生み出した探偵を代表する人物となった。
ちなみに心理試験はD坂より数年後の物語で、そこではすでに世間に認められた名探偵として登場する。外見は神田伯龍そっくりだそう。ライバルとなる悪役は、怪人二十面相。明智自体、変装の名人で、柔道の腕前もかなりのもの。ただ、それらは、少年探偵団が描かれていくうちに肉付けされたもので(明智自身が成長した)、本作ではほぼ触れられていない。乱歩はその一作きりのキャラとしていたらしい。日本における三大名探偵の一人。
■白昼夢
小酒井不木の屍蝋の話を聞いて、着想を得たそうです。どこまでが現実で、どこまでが夢なのか?
乱歩初期の不思議なお話。お楽しみください。
■屋根裏の散歩者
発表は大正十五年(1925年) 明智小五郎シリーズの5作目にあたります。明智小五郎の初出は、「D坂の殺人事件」
有名な作品なので、読んでみました。映像化されたものとは、ずいぶん印象がちがいます。まず、短編と思っていなかったです。
D坂が、発表されたのも同じ年。専業作家として、歩みをはじめたばかりの乱歩。精力的に活動を続けております。6ヶ月連続掲載の五作目で(ちなみに四作目は赤い部屋https://youtu.be/n7HX3JOKa4M)、
末期ガンの親の面倒をみながら書いた乱歩は、ひどい精神状態で、本作のことも全くの駄作と思ったらしい。酷評もされたが、好評であった面もあり、三十代前半の乱歩は、再び自信をとりもどした。
■本編の登場人物
郷田三郎……25才。明智の影響で、犯罪嗜好癖をもつにいたる。
明智小五郎……三郎の友人。素人探偵
遠藤……歯科医者の助手。
北村……遠藤の友人。遠藤の部屋の管理を任されている。
■用語集
雑踏……ザットウ・人混み
通暁……ツウギョウ・徹夜
止宿……シシュク・下宿すること
顧慮……コリョ・あることをしっかり考えに入れて心を配ること
眩惑……ゲンワク・目がくらんで、正しい判断が出来なくなること
とつおいつ……考えが定まらず、あれこれと思い悩む様
旋転……センテン・くるくるまわること
■押絵と旅する男
1929年(昭和4年)新青年 6月号掲載。
この時期、乱歩は実際に旅に出て、魚津にも訪れていた。そのたいけんをもとに書かれた作品だが、第一稿は本人も気に入らなかったらしく、乱歩自身の手で破り捨てられている。残っているのは、あらためて執筆された作品。
■本編の登場人物
私……語り手。
男……額入りの絵と旅をしている。
兄……男の兄だというが、その昔行方不明となる。
お七……押し絵の中の女
吉三……お七の相棒
■用語集
一隅……イチグウ・片隅
臙脂……エンジ・赤色の染料
妖異……ヨウイ・怪しくて普通でないもの
二等車……元国鉄の旅客サービスの等級。三等級あった。現在で言うグリーン車
黒血……腫れ物などから出る、黒みをおびた悪血。
舷灯……ゲントウ
結綿……島田髷のひとつ
嬌羞……キョウシュウ・女性のなまめかしい恥じらい
緋鹿の子……緋色の鹿の子絞り
凌雲閣……浅草公園にあったレンガ造り、十二階建て。関東大震災で半壊、撤去された。
盆石……ボンセキ・漆盆の上に庭園をつくる縮景の芸術
煩悶……ハンモン・苦しみもだえること
■赤い部屋
大正十四年に発表された印象的な作品。雑誌「新青年」に掲載された6ヶ月連続短編掲載の4作目にあたる。発表当時不評も多かったが、最終的には、六作の中で、もっとも好評をはくしたらしい。
谷崎潤一郎の途上に触発され書かれたそうで、そちらもいずれ読んでみたいです。
■本編の登場人物
私……本編の語り部
T氏……自らの完全犯罪を告白する。
花ちゃん……給仕女
■用語集
軒灯……ケントウ・軒先につける明かり
聖代……すぐれた天子の治める世
被覆……ヒフク・物の表面を覆い被せること・
眩惑……ゲンワク・目をくらまして惑わすこと
■一人二役
大正14年(1925年)に文芸誌「新小説」で発表
とある男性Tが、妻に対して仕掛けたある小芝居。別人になりすまして、妻の浮気相手になりかわるが、やがて、妻はその浮気に本気になってしまう——
江戸川乱歩の、ちょっとかわった恋愛話です。
■用語集
細君……サイクン・妻
一伍一什……始めから終わりまで
■お勢登場
「大衆文芸」に、1926年に掲載された作品ですが、乱歩には、連作犯罪小説に仕立てる構想があったらしく、いずれは、この北村おせいという悪女と、明智小五郎とを対決させる構想を発表していました。が、続編が執筆されなかったのは、残念。
■用語集
細君……サイクン・妻
一縷……イチル・ごくわずか
逢瀬……オウセ・男女がひそかに会う機会
疎漏……ソロウ・手落ち
姦婦……夫以外と密通する女性
悶死……モンシ・もだえ苦しんで死ぬこと
千秋……センシュウ・非常に長い年月
欺瞞……ギマン・あざむくこと、だますこと
■登場人物紹介
格太郎……主人公。労咳のため、余命幾ばくもない。
おせい……格太郎の妻。書生と不倫している。
格二郎……格太郎の弟。
正一……格太郎とおせいの息子。
□目次
0:00 月と手袋 一
18:34 月と手袋 二
43:24 月と手袋 三
1:06:35 月と手袋 四
1:27:26 月と手袋 五
2:01:43 D坂の殺人事件 上
2:33:45 D坂の殺人事件 下
3:08:33 白昼夢
3:21:13 屋根裏の散歩者 一
3:32:54 屋根裏の散歩者 二
3:42:33 屋根裏の散歩者 三
3:56:22 屋根裏の散歩者 四
4:06:36 屋根裏の散歩者 五
4:16:58 屋根裏の散歩者 六
4:28:29 屋根裏の散歩者 七
4:41:00 屋根裏の散歩者 八
4:51:04 押し絵と旅する男
5:43:28 赤い部屋
6:05:06 一人二役
7:06:38 お勢登場 一
7:13:53 お勢登場 二
7:20:09 お勢登場 三
7:27:28 お勢登場 四
7:38:58 お勢登場 五
7:45:49 お勢登場 六
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