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📚 あらすじ
江戸某藩、内蔵町の裏通りに面した武家屋敷──納戸方頭取・高林喜兵衛の家の裏木戸は、夜ごとに“そっと開かれたまま”になっている。
木戸の内側には、小さな箱。銭に窮した町人や下級武士は忍んで来ては箱から必要な額を取り、後日返せる時に返す。
それは喜兵衛がひそかに続けてきた“無利息・無条件の救済”だった。しかし、この慈善は「怠惰を助長する」と藩の重役から糾弾され、放蕩者の義弟・藤井十四郎の借金騒動も絡み、屋敷には不穏な気配が漂う。さらに裏木戸をめぐる中傷が目安箱に投げ込まれ、喜兵衛は理想と現実の板挟みに立たされる——。
🔍 解説・読みどころ
“無名の福祉”テーマ:喜兵衛の木戸は匿名のセーフティネット。周五郎は「施し」と「自尊」の葛藤を描き、現代にも通じる社会福祉の本質を問う。
対比構造:清廉な喜兵衛 vs. 放蕩の十四郎、武士道的体面 vs. 庶民の生活現実。価値観の衝突が物語を駆動。
人間讃歌:貧しても銭を返す者の誇り。周五郎が一貫して描く“市井の矜持”が胸を打つ。
ミステリ的サスペンス:目安箱への密告、木戸前の争い、刀傷事件——慈善行為が思わぬ暗闇を呼び込む展開に注目。
👥 登場人物
高林喜兵衛
納戸方頭取・郡代取締。裏木戸の銭箱を設けた張本人。温厚だが信念は揺るがない。
お松
料理茶屋「巴屋」の通い女中。母と弟を養う苦労人。裏木戸を頼る一人。
藤井十四郎
喜兵衛の義弟。放蕩と借金を重ねるが、人間味も残る。物語の波紋を広げる存在。
和生久之助
隣家の寄合肝煎。喜兵衛の親友で理解者。理知で支える。
藤井三郎兵衛
喜兵衛の義兄・家老級。體面を重んじ、木戸の件で追及する。
加代
喜兵衛の妻。病弱な息子を案じるあまり家計に不安と苛立ちを抱く。
松之助
喜兵衛夫妻の一人息子(5歳)。病弱な身体が家庭の不安を映す。
幸助
浜田屋手代。十四郎に金を貸し利を取る実利派。
吉兵衛一家
過去に貧困で一家心中した桶屋。喜兵衛が“木戸”を始める契機。
#オーディオブック #朗読時代小説 #山本周五郎
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