YouTube - 動画概要欄 -
「身はこれ槿花一日の榮。命は蜉蝣の定めなきに似たり。心は蘇武が胡国に捕われ。巌窟の内に籠められて。君邉を忘れぬ志。それは衛律が謀計にて。敵を亡ぼし舊里に帰る。我は何時となく敵陣に籠められて。縲絏の責を受くる。知らず今日もや限りならん。あら定めなや候。」
一ノ谷合戦の後、平重衡は捕虜となり、鎌倉の狩野宗茂の館に拘留されていた。そこへ彼の世話をすべく、遊女・千手前が訪れるのだが、重衡は、ひとり物思いに沈んでいた。動画はこの部分です。
昔、唐土の蘇武は囚われの身となり艱難辛苦の日々を過ごしたが、やがては故郷への帰還を果たすことが出来たという。それに引き換えこの私は今日が最期となるかもしれぬ。ああ、この世とは何と儚いことか…。
2024年10月14日、「広島市の市民能楽のつどい」で謡わせていただいたものです。
私のパートであるツレ平重衡の物思いの部分のみ掲載しています。
謡:日髙徹郎 Ted Hidaka
#観世流謡曲 #千手 #平重衡 #平家物語 #アステール能楽堂