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殿救出へ 山本周五郎『ながい坂』第十一部|【睡眠用・作業用朗読】 七味春五郎 @otobon-sub @sitiharu-tv

Last updated 2026-07-07 19:24:53

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第十九話は、五人衆の再評価、上方資本による藩経済の侵食、 主水正の江戸潜伏、藩主昌治と松二郎の入れ替わり疑惑、 そしてついに「下屋敷の人物こそ本物の昌治」と判明する展開へ進みます。 □あらすじ 五人衆は崩れた。 だが、そのあとに来たのは自由ではなかった。 領内の富は、静かに上方へ流れ始める。 江戸・麻布。 貧民長屋に身を隠した主水正は、行商人となり、夜泣きうどんを売り、三年の歳月をかけて一つの真実へ辿り着く。 上屋敷にいるのは松二郎。 下屋敷に囚われているのが、本物の藩主昌治。 そして、堰工事妨害の真相まで明かされる。 山本周五郎『ながい坂』第十九話。 長い坂は、ついに藩主救出へ向かう。 📚登場人物一覧 三浦主水正/阿部小三郎 本作の中心人物。三十六歳。江戸・麻布谷町の貧民長屋「狸店」に潜伏し、「もと」と名乗る。ぼて振り、夜泣きうどん、冷麦、素麺売りをしながら主家の下屋敷周辺を探る。 第十九話では、五人衆と上方資本の関係を見直し、人間や政治を単純な善悪で判断できないことを深く悟る。長い潜伏調査の末、上屋敷の藩主は松二郎、下屋敷に幽閉されている人物こそ本物の昌治と判断する。 終盤では佐佐義兵衛を問い詰め、堰工事妨害の真相を知る。 津田大五 主水正の協力者。江戸家老家の出身だが、放浪者のような姿で動く。 第十九話では麻布谷町の主水正を訪ね、江戸と国許の情勢を伝える。主水正を仲間たちの「要」と考え、危険を冒してほしくないと説く。 後半では藩主昌治救出計画を強く主張する。町人姿に変装した姿も見せる。 桑島三右衛門 旧御用商人五人衆の中心人物。江戸で吟味を受け、のちに闕所・領外追放となる。 第十九話冒頭では、卍屋の背後に三井だけでなく、灘屋、堂島系の資本も動いている可能性を語る。 かつての五人衆制度が崩れた結果、藩内産業が上方資本に奪われつつある現実を見抜く。 太田巻兵衛 旧五人衆の一人。領内の「おみの紙」の買入れと販売を仕切っていた。 独占者として非難された過去を持つが、制度廃止後は製紙業者が外来商人と卍屋の金融に振り回される事態となる。 主水正を探し出して相談すべきだと考える。 佐渡屋儀平 旧五人衆の一人。回米御用を担当していた。 第十九話では、主水正は必ずどこかで何かをしているはずだと信じる。十六歳の大火時の働き、堰工事、領内測量、洪水時の決断などを振り返り、主水正への信頼を語る。 越後屋藤兵衛 旧五人衆の一人。呉服、糸綿などを扱う。 冒頭の密談で、卍屋仁左衛門と三井筋の関係を警戒する。 牡丹屋 旧五人衆の一人。十九話冒頭の集会には加わっていない。 五人衆内部でも立場が分かれていることを示す存在。 卍屋仁左衛門 新たな御金御用商。 桑島の調査では、三井を中心に、灘屋、堂島筋の資本も関係している可能性がある。五人衆廃止後、藩の経済を外部資本へ接続する存在。 飛騨守昌治 本来の若き藩主。 第十九話で、下屋敷に幽閉されている人物こそ本物の昌治であることが、横田鶴良の診察によって確認される。 落馬によって左足を骨折し、かつての侍医・鶴良を名指しで求めた。 松二郎昌之 昌治の兄。 主水正は、四年前に国入りした「藩主」、そして上屋敷にいる人物は松二郎であると結論づける。 六条一味の政権掌握に利用されている存在。 六条図書 御新政側の中心人物。 長年かけて滝沢氏一派から政権を奪取したが、主水正は、六条ら自身も上方資本に縛られ、自由に政策を実行できなくなったと分析する。 安西左京 六条一味の重臣。 国許政治を実質的に掌握し、のちに江戸へ移る。 波岡五郎太夫 安西左京に代わるように江戸側へ現れる人物。 津田大五は「なかなかのくせ者」と評する。 相良大学 主水正側の協力者。 下屋敷詰めとなり、本物の藩主を確認する絶好の機会を得る。 横田鶴良と密かに打ち合わせ、診察相手が本物の昌治なら、帰りに懐紙を落とすという合図を決める。 庄田信吾 江戸屋敷側の協力者。 第十九話後半、佐佐、高森らと主水正に会い、下屋敷の情勢や横田鶴良の診察について報告する。 高森宗兵衛 昌治側の重要人物。 江戸で主水正、佐佐、庄田らと密会し、藩主救出計画に加わる。 佐佐義兵衛 堰工事に関わった若侍。 主水正は長年、彼が堰工事妨害の黒幕ではないかと疑っていた。 第十九話終盤、主水正に問い詰められ、自ら脇差を渡し、真相を告白する。 実際に妨害を指図したのは佐佐だった。だがそれは、昌治の命令による「偽の妨害」。本物の妨害者を萎縮させ、工事場全体に警戒心を広めるための策だった。 粂五郎 大坂から来た人夫頭。 佐佐義兵衛の偽装妨害工作に協力した人物。 横田鶴良 昌治の元侍医。老医。 主水正も若いころ、井関川で負傷した際に治療を受けた。 第十九話では、落馬した下屋敷の人物を診察する。その人物が本物の昌治であることを確認し、相良との約束どおり、帰りに懐紙を落とす。 お秋 麻布谷町「狸店」に住む女性。三十五歳。 姉おとしと仕立て物をして暮らす。世話好きで、主水正の食事や衣類を気づかう。 主水正は、お秋姉妹の生き方から、外部条件に支配されず、自分の内部で人生を作るという姿勢を学ぶ。 おとし お秋の姉。四十歳。 背中に大きな瘤があり、身体が不自由。だがそれを悲観せず、「赤ちゃんを背負っているようなもの」と明るく笑う。 主水正の人間観を大きく変える人物。 千代 二十一歳。狸店近くで母お民と暮らす。 以前、お秋が主水正に持ちかけた縁談の相手。控えめで、内面に容易に踏み込めない強い芯を持つ。 のちに主水正の生活へ自然に関わるようになる。 お民 千代の母。 娘とともに玩具の内職をする。東北の田舎育ちで、うどん打ちが得意。 ななえ 主水正の伴侶。新畠に残っている。 津田大五によれば、以前の異常なようすが消え、普通の女性らしさを取り戻している。豆を作って暮らしている。 山根つる/三浦つる 主水正の正妻。 国許の曲町屋敷を守り続ける。馬で遠乗りし、一味の手先をわざと引きつけ、疾駆して撒く。 津田大五は、その知恵と胆力を高く評価する。 滝沢主殿 前城代家老。 重病ながら生き延びている。 滝沢兵部 主殿の子。 なお放蕩生活を続け、西小路に囲っている女性との間に子が生まれたと語られる。 谷宗岳 主水正の師。 国許で寺子屋のような生活を送り、ときどき大酒を飲む。 📚用語集 方丈 禅寺などで住職が住む建物。会談や密談の場にもなる。 宗巌寺 石済和尚の寺。第十八話冒頭では石済和尚の過去が語られる。 高野山 真言宗の聖地。玄常と石済が若いころ共に学んだ場所。 叡山 比叡山。天台宗の本山。石済がさらに修行した場所。 永平寺 曹洞宗の大本山。石済が五年学んだと語られる。 なまぐさ坊主 戒律を守らず、酒や女にだらしない僧を指す俗語。石済和尚の後年の姿として語られる。 檀家 寺を支える家々。法事や葬儀を寺に頼む。 布施 僧や寺に渡す金品。玄常は坊主の暮らしを自嘲する中で語る。 御用商 藩の公式な商取引や金銭用務を請け負う商人。桑島ら五人衆が該当する。 五人衆 藩の御用商人五家。桑島、太田、佐渡屋、越後屋、牡丹屋ら。第十八話では制度そのものが停止され、崩壊へ向かう。 文銭隠匿 小額銭を隠し持ち、流通を妨げたという罪。桑島にかけられた嫌疑。 銭札 小銭不足を補うための札。通貨混乱の火種となる。 版木 印刷に使う木版。銭札の真偽を確認する手がかりとなる。 御金御用 藩の金銭、金融、両替などを扱う御用。桑島家が担っていた。 改鋳 貨幣を鋳直すこと。金銀の改鋳は銭相場に影響を与える。 銭相場 金銀と銭の交換比率。これが乱れると物価も混乱する。 公儀の法度 幕府の禁令。通貨操作はこれに触れるとされる。 苗字帯刀 名字を名乗り刀を差すことを許される身分的特権。商人にとっては大きな名誉。 闕所 財産没収。重い処分。桑島家はこれを受ける。 領外追放 藩領の外へ追放されること。桑島一家の処分。 御恩借嘆願書 藩が借金や資金調達を求めるための嘆願書。五人衆にとって古い弱みとなる文書。 卍屋仁左衛門 江戸から新しい御金御用商として来るとされる人物。三井筋の可能性が示され、五人衆に強い危機感を与える。 三井 江戸時代の大商家。金融・両替に強い力を持つ。卍屋の背後にいる可能性が示される。 根切り 植物の根を切る作業。主水正は洗堰工事の方法を応用し、笹原を区画ごとに根切りする。 六尺四方 約一・八メートル四方。主水正が根切りの区画として考えた単位。 おろ抜き 間引きした野菜。おすみは畑から捨てられる葉菜や根物をもらい、漬物にする。 漬け物樽 漬物を作る樽。おすみが管理する。 油紙 油を染み込ませた紙。掘立て小屋の隙間風を防ぐために使われる。 敷き藁 床に敷く藁。寒さを和らげるために使う。 屑炭 くずの炭。古火鉢で寒さをしのぐが、十分ではない。 馬鍬 土をならしたり耕したりする農具。主水正が雪の中でふるう。 洗堰 水を調整する堰の構造。主水正は新畠の用水堀にもその技術を応用する。 用水堀 農地に水を引くための水路。新畠でも新たに作られる。 堰堤尻 堰堤の末端部。そこから三つ沼へ水を引く作業と同じ要領で、新畠の用水も考えられる。 御借上げ金 藩が家臣から一時的に借り上げる金。六条一味の新政で課される。 御用金 豪農や富商に命じられる献金・拠出金。藩政の圧迫策として使われる。 五人衆制度停止 長年続いた御用商人五人衆の制度が停止されること。表向きは改革だが、実際には六条一味の権力掌握の一環。 圧制 権力で人々を押さえつける政治。主水正は、圧制は次第に強まらざるを得ないと考える。 山根靱負 山根家の人物。病身で名ばかりの家老とされる。 馬廻り 藩主の周囲に仕える武士。岩上が回された役目。 密偵制度 正式な役目を持たない者が城中や城外で人々を監視する制度。六条一味が敷いた。 旧勢力 新政に対抗する、以前の藩政に近い人々。密偵制度の監視対象。 道中記 旅の経路、宿場、地形などを記録したもの。主水正は藩主参勤の道中で接近するため、自分で道中記を作る。 御出府 藩主が江戸へ向かうこと。主水正は昌治の出府行列に近づく機会を探る。 筒袖 袖口を絞った、動きやすい衣服。つるが男のような姿で着ている。 馬乗り袴 乗馬用の袴。つるの装いに出る。 塗笠 漆などで塗られた笠。つるがかぶっている。 大川 新畠のそばを流れる川。小太郎の死の場面で重要。 菜の花 春に咲く黄色い花。小太郎の死の場面で、明るさと悲劇を強く対照させる。 #朗読 #山本周五郎 #ながい坂 #時代小説 #睡眠用 #作業用 #泣ける話 #朗読まとめ #字幕付き #全文テロップ #字幕朗読 #オーディオブック