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#謡曲 #観世流 #朗読 #日髙徹郎 #読みがえり
謡曲「語りシリーズ」
其の二
観世流謡曲「土蜘蛛」(前場より)
土蜘蛛の精に憑かれた源頼光が病床に臥していると僧の姿で現れた土蜘蛛に襲われる。
頼光が枕もとの太刀を抜いて応戦した時の有り様を駆けつけた獨武者に語るシーン
さても、夜半ばかりの頃。
誰とも知らぬ僧形の来り我が、心地を問ふ。
何者なるぞと、尋ねしに。
我が背子が来べき宵なり、ささがにの。
蜘蛛のふるまひかねて著しもと云ふ、
古歌を連ね。即ち七尺ばかりの、
蜘蛛となって。我に千筋の糸を、
繰り懸けしを。枕にありし膝丸にて、
切り伏せつるが。
化生の者とてかき消すやうに、失せしなり。
これと申すも偏に剣の威徳と思へば。
今日より膝丸を蜘蛛切と、名づくべし。
なんぼう奇特なる、事にてはなきか。
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謡曲には節(ふし)の部分と詞(ことば)の部分があります。
詞は観衆に対するものと特定の相手に対するものと独りごとの3つに大別されます。
朗読者としての私は詞を大事にしているわけですが、
中でも相手に対して過去の出来事や由緒などを物語る「語(かたり)」というものに
ひときわ興味を持っています。
「語」は謡曲において重要な聞かせどころとなっていますが、
節という音階的なものを伴わないだけにやりがいがあります。
趣味として続けている謡曲の中より
いくつかの「語」を実際に声に出して、ここで取り上げてみようと思います。
朗読(語り):日髙徹郎
Ted Hidaka