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山本周五郎が描く、異色の和製シャーロック・ホームズ!(再録です)
【帝都・東京に名探偵現る! 丸ノ内廃館の密室殺人と消えた二億円の秘宝】
時は明治か大正か。深夜の東京・丸ノ内、通称「五号館」と呼ばれる不気味な廃墟。 浮浪児の少年・凡太郎は、そこで女性の悲鳴を聞きつける。駆けつけた彼が目にしたのは、奇妙な「毒矢」によって絶命した着物姿の美人の死体と、闇へと消える謎の男の影だった。
翌朝、捜査に行き詰まった警視庁の村田刑事課長が助けを求めたのは、帝国ホテルに滞在中の英国紳士ウイリアム・ペンドルトン。彼こそが、世界に名だたる名探偵シャーロック・ホームズその人であった。
現場に残されたゴリラのような足跡、雨樋の手形、そして謎の「灰色の外套の男」。 ホームズの鋭い推理は、やがてモンゴール王の「二億万円の宝玉」にまつわる壮大な秘密と、横浜中華街(南京街)に潜む恐るべき「怪ラマ食人種」の存在を暴き出していく。
浮浪児・凡太郎を助手(ワトソン役)に迎え、ホームズが日本の帝都を疾走する! 山本周五郎が描く、異色の捕物帳ミステリー。
主要人物
シャーロック・ホームズ(ウイリアム・ペンドルトン)
英国から来た世界的な名探偵。現在は「ウイリアム・ペンドルトン」の偽名を使い、帝国ホテル十五号室に滞在している。鋭い眼光と蒼白い顔、左足を少し引きずるのが特徴。
凡太郎(ぼんたろう)
丸ノ内界隈をねぐらとする浮浪児。栗鼠(リス)のようにすばしこく、口笛の名人。第一発見者であり、ホームズの手足となって捜査に協力する。
村田 俊一(むらた しゅんいち)
警視庁刑事課長。ホームズの正体を見抜き、難事件の捜査協力を依頼する。
事件関係者
被害者の婦人
五号館で殺害された和服の美人。正体は真田男爵の妹。
灰色の外套の男
現場から立ち去った肥った老人。後に何らかの証拠品を探しに現場へ戻ってきた疑いがある。
謎の老婆
ホームズが拾得した「銀製の筐(はこ)」を受け取りに現れた、西洋人の血が混じった小柄な老婆。
小男の怪人
ホームズが推理した実行犯。身長120センチほど、裸足で雨樋を伝う身軽さを持ち、毒矢(吹矢)を操る。
背景
真田男爵(先代)
日清戦争時、奥蒙古で特殊任務に就いていた人物。物語の鍵となる「宝玉」の秘密を握る。