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【眠れる名作朗読】
📚時代劇ミステリー 復刻版
「藩の闇を撃ち抜く、山本周五郎渾身の逆転人情劇。」
「聴くほどに、心に沁みる。大人のための贅沢な文学体験。」
📚物語catch
「白菊の香りに隠された、美しくも残酷な真実。」
「再会した許嫁は、狂女となっていた――。」
「二十年の沈黙、その果てに咲く愛と復讐の華。」
📚あらすじ
江戸で幕府法制を学び、国許へ戻った若き藩士・佐垣信三郎は、藩の重職・疋田家から入婿の縁談を持ちかけられる。だが信三郎には、かつて婚約を交わした松谷小房という女性がいた。
小房の父・松谷権太夫は、藩政を私する重臣・高力忠左衛門を討とうとして失敗し、発狂者として処分され、一家は追放されていた。信三郎は、藩政改革のため疋田家へ入り、大目附として高力一派の罪を探ることになる。
やがて信三郎は牢の中で、狂人を装って生き延びていた小房と再会する。小房が守り抜いた「斬奸覚書」によって、高力追及の決定的な証拠が得られ、ついに高力忠左衛門は失脚する。
しかし小房は、信三郎と絢子の未来を思い、静かに身を引く。白菊の花束と一首の句を残して去る小房。義と愛、自己犠牲と祈りが、菊月の月明かりの中に美しく結ばれる。
📚この動画の目次
00:00 導入:山本周五郎の名作「菊月夜」
01:08 第一章:突然の贈り物と不穏な予感
07:22 第二章:引き裂かれた婚約と不慮の事件
13:45 第三章:藩の闇と密かなる使命
20:45 第四章:婚礼の夜、彩子の告白
25:15 第五章:潜入調査、牢獄に潜む影
31:32 第六章:再会、狂女となった許嫁の真実
36:59 第七章:反撃の時、巨悪への弾劾
46:53 第八章:結末、白菊に託された祈り
01:00:24 解説:物語が問いかけるもの
📚登場人物一覧
佐垣信三郎
鶴岡藩士・佐垣藤左衛門の二男。二十三歳。江戸で幕府法制を学んでいたが、急ぎ国許へ呼び戻される。藩政改革のため疋田家へ入婿し、大目附として高力忠左衛門追及の中心人物となる。私情と公務のあいだで苦しみながらも、武士としての責務を果たす。
松谷小房
松谷権太夫の一人娘。信三郎のかつての許嫁。父の失脚と一家追放により姿を消すが、父の志を守るため、過酷な境遇を耐え抜く。清らかで強く、物語の精神的中心となる女性。
疋田絢子
重職・疋田兵庫助の息女。信三郎の妻となる女性。小房と親しく、信三郎の心情も察している。嫉妬ではなく、思いやりと覚悟によって信三郎を支える、もう一人の気高い女性。
疋田兵庫助
鶴岡藩の重職。病弱な印象のある人物。信三郎を婿に迎えることで、藩政改革のために必要な地位と資格を与える。
佐垣藤左衛門
信三郎の父。八百石の郡代。疋田家との縁談を進める。松谷家の不幸に際しては、小房を引き取ろうとするなど、武家の義理を重んじる人物。
信三郎の母
信三郎に疋田家との縁談を伝える。小房との過去の婚約や松谷家の事情を説明する。家庭の情と武家の義理をつなぐ役割を持つ。
安倍孫太夫
若き重臣。奉行役支配の席にあり、藩政改革を志す中心人物の一人。疋田家との縁談の仲人を務め、信三郎に高力追及の大任を託す。
高力忠左衛門
先代藩主の寵臣で、長年にわたり鶴岡藩政を掌握してきた重臣。権勢を背景に政治を私し、松谷権太夫の事件を発狂として処理する。物語における最大の政治的障害。
松谷権太夫
小房の父。かつて納戸奉行を務めた藩士。高力忠左衛門の専横を許せず、斬奸の覚悟で城中において刃傷に及ぶが、失敗して討たれる。その死と覚書が、物語を動かす核心となる。
酒井忠義
鶴岡藩主。物語当時はまだ幼少で江戸屋敷にいる。藩政の実権は、高力忠左衛門ら重臣が握っている。
小姓組の三人
松谷権太夫を城中で討ち果たした者たち。のちに信三郎の訊問を受け、権太夫が発狂したのではなく、高力忠左衛門を斬ろうとした事実が明らかになる。
📚用語集
菊月
旧暦九月の異名。菊の咲く季節を表す言葉。本作では、白菊と月夜が、清らかな別れと祈りの象徴として描かれる。
到来物
よそから贈られてきた品物。冒頭では、疋田家から信三郎へ砂糖漬けの杏子が届けられる。
はした
身分の低い女中、下働きの女性を指す言葉。作中では茶道具や花束を運ぶ若い女中として登場する。
部屋住
家督を継がず、まだ独立していない武家の次男・三男などの立場。信三郎は物語冒頭では部屋住である。
国許
江戸詰めなどに対して、本来の藩の領地・城下を指す言葉。信三郎は江戸から国許へ呼び戻される。
入婿
女性の家へ婿として入り、その家を継ぐこと。信三郎は疋田家へ入婿することで、藩政改革に必要な身分を得る。
老職
藩政を担う重臣・家老格の役職。藩の政治判断に大きな影響を持つ。
大目附
藩内の監察を担う重い役職。不正や規律違反を調べる権限を持つ。信三郎はこの職を得て、高力忠左衛門追及に乗り出す。
奸
悪事をたくらむ者、不正を行う者。本作では、高力忠左衛門のように政治を私する権力者を指す。
斬奸
悪人・奸臣を斬ること。松谷権太夫は、高力忠左衛門を藩の害悪と見なし、斬奸を決意する。
斬奸覚書
松谷権太夫が、高力忠左衛門を討とうとした理由を記した文書。小房が守り抜き、信三郎が高力追及に踏み切る決定的な証拠となる。
秕政
悪い政治、乱れた政治。高力忠左衛門一派による藩政の腐敗を表す言葉。
私曲
公正さを欠き、私利私欲によって物事を曲げること。高力一派の政治の性質を示す語。
専断
本来は主君や正式な評定の裁可を得るべきことを、独断で決めること。高力忠左衛門は松谷権太夫の処分を即決し、これが罪に問われる。
口書
取り調べで得た供述を書き記した文書。信三郎は小姓組三人の口書を取り、高力追及の材料とする。
謹慎
外出や出仕を禁じ、家に控えさせる処分。信三郎は高力忠左衛門に対し、沙汰があるまで謹慎を申し渡す。
切腹
武士に科される重い処分の一つ。高力忠左衛門は最終的に切腹を命じられる。
介錯
切腹の際、苦痛を長引かせないために首を打つ役目。信三郎は小房に高力の介錯を勧めるが、小房は父の死を私怨にしてはならないとして辞退する。
国払い
藩領から追放する処分。松谷家、そして高力家の家族にも国払いが命じられる。
僧門に入る
出家して仏門に入ること。小房は最後に、父母の冥福と御家の安泰を祈る道を選ぶ。
白菊
本作の結末を象徴する花。清浄、別れ、祈り、高潔な心を表す。小房が残す白菊は、恨みではなく祝福と決別のしるしである。
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◆再生リスト
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