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眠れる低音ボイス
巻末に主題歌を掲載
■耳で観る、名作ドラマ
朗読とオリジナル主題歌で、忙しい大人に深い没入とくつろぎを。
「新しい自分をつくりだす」そんな物語です。
山本周五郎作、初蕾昭和二十二年に書かれた名作で、映像化、演劇化もたびたびされております。そんないい話なんですね
そして、そんないい話で、作詞ができました。
📗目次
00:00 山本周五郎『初蕾』
00:11 第一章:お民と島屋消右衛門の相談
04:14 第二章:幼い日の記憶、母と兄との流転
07:25 第三章:藤屋から藤村へ、お民の決意
11:47 第四章:梶半之助との出会いと「あっさりとした」約束
14:28 第五章:身ごもるお民、消右衛門への迷い
17:22 第六章:雨の夜の果たし合い、半之助の旅立ち
28:23 第七章:鳥羽・西沢村の静かな陰居所
33:50 第八章:袖垣の下に置かれた赤子
35:42 第九章:捨て子・小太郎の育児と、夫婦の回想
43:16 第十章:乳母としてのお民(梅)との生活
50:37 第十一章:深まる愛情と消右衛門の秘策
56:45 第十二章:半之助の消息と、日和山の再会
1:04:34 主題歌:
■あらすじ
二見浦の小料理茶屋「ふじむら」で人気を得たお民は、
客の島屋喜右衛門から「店を買って主婦に入れ」と身の上話を持ちかけられる。
お民には身分違いの恋人・梶井半之助がいた。
身体には新しい命の兆しがある。
生活を取るか、半之助への想いを取るか——
迷いのさなか、
半之助は酒席の諍いから森田久馬を斬ったと告げ、
己の卑しさを悟った末に
「人間らしくなるため江戸へ行く」と去ってしまう。
苦労多き「お民」が、幸せをつかむまでを描いた山本周五郎、渾身の傑作。
♪音本+唄本
山本周五郎の名作に主題歌をつけました。
お聴きください。
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■登場人物
お民:小料理茶屋「ふじむら」の看板格。過酷な生い立ちから“信じるのは自分だけ”と生きてきたが、子と武家の暮らしが彼女を変えていく。
梶井半之助:稲垣家家中の若侍。放埒に見える時期を経て、森田との一件を機に“人間の尊厳”へ目覚め、江戸で学問により再起する。
島屋喜右衛門(島喜):鳥羽の富豪・廻船問屋。お民の身請け同然の話を持ちかけ、また陰で全ての段取りにも関与する。
梶井良左衛門:半之助の父。港奉行だったが、子の事件の責を負い致仕。隠棲生活の中で“育て直し”の道を選ぶ。
はま女:半之助の母。厳格で芯が強い。乳母の“うめ(お民)”を鍛えあげる。
森田久馬:酒の席で半之助を追い込み、決闘の相手となる青年。「秩序・道徳・尊厳」を語り、半之助の転機を作る。
俣野考太夫:藩の老臣。半之助再起(昌平黌での講義)をもたらす報せの使者。
太市:お民の兄。幼少期の苦難を共にし、少年期に不幸な死を遂げる。
お民の母:貧苦の中で子を守り抜こうとしたが、病み倒れる。
仁太夫:伊勢山田の御師の息子。お民の過去の“危うい縁”。
藤屋の主婦:二見浦の宿の女主人。冷徹な搾取側として描かれる。
■用語集
鼈甲(べっこう):べっ甲色。ここでは古い家の重い艶の比喩。
框(かまち):玄関や上り口の横木。
帳場格子(ちょうばごうし):商家の帳場にある格子。
船問屋(ふなどんや):海運の手配・取引を行う商家。
熊野灘(くまのなだ):紀伊半島沖の海域。
下女奉公(げじょぼうこう):下働きとしての奉公。
年期奉公(ねんきぼうこう):年季契約で縛られる奉公。
脚気(かっけ):栄養欠乏などで起こる病(当時は多い)。
御師(おんし):伊勢参宮などの宗教的・旅行手配を担う家筋。
廻船問屋(かいせんどんや):船・荷を扱う海運商。
藩侯(はんこう):藩主。
港奉行(みなとぶぎょう):港の行政・管理を担う役。
納戸役(なんどやく):藩邸や藩の内向き実務(物品・出納等)に関わる役目。
致仕(ちし):官職を辞する・退く。
終身十五人扶持(しゅうしん じゅうごにんぶち):生涯にわたり“15人分の扶持米相当”が支給される待遇。
行李(こうり):竹製などの箱・旅の収納具。
讒誣(ざんぶ):無実の者を悪く訴える中傷。
蟄居(ちっきょ):謹慎・引きこもりに近い処分/生活。
手燭(てしょく):手に持つ燭台。
網代(あじろ):竹や木を編んだもの。垣などに用いる。
袖垣(そでがき):玄関脇に設ける目隠しの垣。
布子絆纒(ぬのこばんてん):綿入りの厚手の半纏。
襁褓(むつき):むつき(おむつ)。
臍の緒書(へそのおがき):出生の記録(臍の緒に添える書付)。
素読(そどく):意味を講じず、声に出して読む学習。
千字文(せんじもん):漢字学習の基本教材。
疱瘡(ほうそう):天然痘。
痘痕(あばた):痘瘡の痕。
宝暦(ほうれき):年号(宝暦十一年など、時代指定に重要)。
昌平黌(しょうへいこう):江戸幕府の学問所(儒学中心)。
仰高門日講(ぎょうこうもん にっこう):講義・講釈の場(作中の格式語)。
処士(しょし):官職に就かない在野の学者・人物。
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