YouTube - 動画概要欄 -
#謡曲 #観世流 #朗読 #日髙徹郎 #読みがえり
ワキ 我 三保の松原に上り。浦の景色を眺むる処に。
虚空に花降り音楽聞え。霊香四方に薫ず。
これ常事と思はぬ処に。
これなる松に美しき衣懸かれり。
寄りて見れば色香妙にして常の衣にあらず。
いかさま取りて帰り古き人にも見せ。
家の寶となさばやと存じ候。
シテ なうその衣は此方のにて候。何しに召され候ぞ。
ワキ これは拾ひたる衣にて候程に 取りて帰り候よ。
シテ それは天人の羽衣とて。たやすく人間に與ふべき物にあらず。
もとのごとくに置き給へ。
ワキ そもこの衣の御主とは。さては天人にてましますかや。
さもあらば末世の奇特に留め置き。
國の寳となすべきなり。衣を返す事あるまじ。
シテ 悲しやな羽衣なくては飛行の道も絶え。
天上に帰らん事も叶ふまじ。
さりとては返し賜び給へ。
朗読(謡):日髙徹郎
Ted Hidaka