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一、手柄の銀次
遊び人からは足をはらって、北町奉行として活躍する遠山左衛門尉——りっぱな殿様になってしまった金さんの元に、昔の彼をしる遊び仲間の与六老爺が訪ねてくる。二人が世話になった恩人大旦那が殺され、仲間だった若旦那が下手人に。金さんは、若旦那を救い出すことを依頼されるが、彼の立場では難しく、一計を案じ……
野村胡堂版、遠山の金さんをお楽しみください。
■登場人物
遠山左衛門尉景元……ご存じ遠山の金さん。北町奉行の名奉行。若き日は、与六、浪三郎とつるんでいた。
与六……放蕩時代の金ちゃんの親友
総右衛門……山口屋の大旦那
浪三郎……山口屋の若旦那。養子。
お加代……総右衛門の一人娘
お君……浪三郎の恋仲
房吉……山口屋の番頭
お仙……房吉の妻
長吉……山口屋の小僧
堀久馬……吟味与力
鳥居甲斐守……南町奉行
政吉……古株の御用聞き
お紺……山口屋の飯炊き
■用語集
香道……香木を炊いて、香りを賞翫する芸道
札差……江戸時代に、旗本御家人に蔵米の受け取りや売却の代行をして手数料を取った人々。蔵米を担保に高利貸しを行い、巨富をたくわえた。札差由来は、蔵米受取人の名を書いた札を使用したことから。
大通……遊里・遊芸などによく通じていること
知嚢……チノウ・知恵に富んだ人。知恵袋
蛇蝎……ダカツ・人が嫌う物
申刻……ナナツ・四時
天眼通……六神通の一つ
沈香……香木の一つ。最良品を伽羅といった。
四半時……三十分
銀葉……ギンヨウ・香道の道具。香を乗せて、火の上に置く
香盒……香を入れる小さな容器
本道……漢方で、内科医のこと
二、銀次登場
北町奉行を首になった金さんの元を訪れたのは?
■登場人物
遠山左衛門尉景元……ご存じ遠山の金さん。放蕩無頼をやめて名奉行となったが、いまは罷免されて無役である。
銀次……腕のたつ御用聞き
堀久馬……吟味与力
お組……金さんの昔の恋人
芳江……金さんの娘。
お駒……お組の妹。
鯉沢甚内……鳥居家来。
伊三郎……お組にほれている。銀次に協力
お寅……お組、お駒の名ばかりの叔母。
鳥居甲斐守……南町奉行
■用語集
検束……行動を制限して自由にさせないこと
古文真宝……中国の詩文集で、江戸時代の初学者用の教材。
蹉跌……挫折。失敗。
苦茗……クミョウ・苦い茶。質のわるい茶
糊米……のりまえ
烏金……翌朝、烏がなくまでにかえすといった、日歩の高利の借金
阿呆払い……不届き者を武士の場合は両刀をとりあげ、庶民は裸にして追放する。
しもた屋……商店街の中にあって商業をしない住処
三、焔の囁き
野村胡堂版、遠山の金さん。今回は——
偽金づくりの犯人にさらわれた金さんの昔の思い人。その兄で遊び仲間の六が窮状を訴えたところからはじまります。
■登場人物
遠山左衛門尉景元……ご存じ遠山の金さん。放蕩無頼をやめて名奉行となったが、いまは罷免されて無役である。
銀次……腕のたつ御用聞き
堀久馬……吟味与力
お蔵前の六……金さんの昔の仲間
お秋……六の妹
大垣楽之進……六兄弟をだましておどす
■用語集
明鑑……メイカン・曇りがない鏡。物の姿をあきらかにうつしだすもの。
崇敬……あがめうやまうこと。
閑地……職務の少ない地位・身分
雅俗……上品な物と俗っぽい物
文身……ほりもの。入れ墨
火口……ホグチ・火点
■遠山の金さん『手柄の銀次』目次
0:00 北町奉行の友達と名乗って与六老爺
4:50 一貫二百の恩借を忘れていた——と景元
8:38 浪三郎を救えと奉行への強談
14:51 殿様野郎——と与六精一杯の啖呵
17:28 銀次と名乗る男に与力堀久馬の助力
24:44 小僧の言葉を手繰る銀次の駆け引き
32:16 浪三郎の脱出と名香の匂い
39:09 房吉の疑いは消えて、名乗ってでるお君
46:00 一縷の望みは逢い引きの証拠
51:16 鉄瓶の詭計と血刀の行方
58:46 爺やに毒を小僧には小判を
1:06:02 少年の心の謎と二重の手数料と
1:11:13 主人の棺を前に銀次明智の大裁断
1:22:27 大団円
■遠山の金さん『銀次登場』目次
1:25:54 名判官に霹靂
1:37:47 お駒危難
1:44:32 銀次の明智
1:53:10 詭計と詭計
2:03:52 銀次は身を引く
■遠山の金さん『銀次登場』目次
2:10:16 殿様お退屈
2:14:03 お秋の難儀
2:24:18 山桜の文身
2:29:04 悉く詭計
2:34:03 昔の恋
2:38:17 天保小判の罠
#野村胡堂 #遠山の金さん #朗読時代小説