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この作品は、1950年(昭和25年)1月~11月 『講談雑誌』に掲載されました。
AudioBookChannelで連載されたものを、まとめたうえで、再編集いたしました。
■登場人物紹介
順二郎直親……伊親の長男。廃嫡されていたが、幸之助の死で、世継ぎとなった。
松阪出雲守伊親……当代藩主で、順二郎や幸之助の父。
貞子……伊親の正室。順二郎と紀久姫の母。早くに亡くなる。
紀久姫……伊親と貞子との娘。
かつ女……伊親の側室。世継ぎの幸之助の母。権力掌握にはしる。
幸之助……伊親とかつ女との男児。早逝する。
松阪大学伊周(これかど)……伊親の弟。かつ女や側用人と手を結ぶ。
松阪孝之助……大学伊周の二男。幸之助の死後の後継候補。
松阪出雲守伊定……先代藩主。
松平摂津守忠秋……貞子の父。
松平忠元……忠秋の子。貞子の兄。
松平石見守宗宣……紀久姫の夫。
勝田門左衛門……江戸家老。温厚実直派の一人。順二郎を後継者におす。
井東介助……側用人。かつ女の父。大学伊周達と、藩政を牛耳ろうと画策する。
板倉六郎右衛門……城代家老。側室一派。
板倉主膳……六郎右衛門の長男。側用人派。
板倉三之丞……次席家老。側室一派。
河井勘蔵……次席家老。側室一派。
安房丈之助……筆頭年寄役。側室一派。
池島金太夫……年寄役。側室一派。
成田実之助……年寄役。
岡山武右衛門……国許の中老。側室一派。
大沼丈右衛門……老職。勘定奉行。
官野忠弥……近習番。順二郎を暗殺しようとする。
萩乃……牡丹亭の女中頭。官野忠弥と関係を持つ。
勝田仁四郎……門左衛門の二男。昔、順二郎つきの若侍だった。
桐生吉兵衛……松阪家の藩士。仁四郎の同士。
持家益造……松阪家の藩士。仁四郎の同士。
柳川平吾……松阪家の藩士。仁四郎の同士。
成田久三郎……松阪家の藩士。実之助の三男。仁四郎の同士。
間垣平太……松阪家の藩士。官野忠弥の手先になる。
お梶……板倉六郎右衛門の娘。小五郎の意を受けて藩邸内の離れの牡丹亭に入り込む。
板倉小五郎(海野門太)……六郎右衛門の二男。お梶の兄。
権之丞……炭焼き。元紀州藩に仕える。偶然、順二郎を助ける。
おまき……権之丞の孫娘。順二郎の世話をする。
四郎……若い狼。おまきに恩義を感じている。
鉄が岳……無頼者。おまきをつけねらう。
菊之丞(銀ながし)……無頼者。おまきをつけねらう。
間垣平太……松阪家の藩士。官野忠弥の手先。
お梶……板倉六郎右衛門の娘。牡丹亭に入り込む。
板倉小五郎(海野門太)……六郎右衛門の二男。お梶の兄。
千葉相太郎……松阪家の藩士。仁四郎達をつけねらう。
番匠信九郎……松阪家の藩士。仁四郎達をつけねらう。
起原啓馬……松阪家の藩士。仁四郎達をつけねらう。
光冶宗吉……松阪家の藩士。仁四郎達をつけねらう。
吉蔵……村の住人。
角兵衛……村の高利貸し。
阿部伊勢守……浜松城代。
疋田九郎兵衛……浜松城代の司政官。
信田門太夫……山香の代官。順二郎を捕縛する。
菊内久内……村廻り与力。
源九郎……久内の部下。
お民……茶店「和倉屋」の女主人。順二郎に惚れる。
おきぬ……「和倉屋」の女中。
お玉……「和倉屋」の女中。
門次……「和倉屋」の賭場係。
七……「和倉屋」の賭場係。
吉三郎……「和倉屋」の賭場係。
信田門太夫……山香の代官所の代官
菊内久内……村周りの与力
萩野……牡丹亭の女中頭
安田考斎……医者
江口……腰元
桑原久太……若侍
土井庸之助……若侍。忠弥のあとをつける
■用語集
就床……シュウショウ・就寝
上厠……ジョウシ・便所に入ること
憫然……ビンゼン・あわれむべきさま
淙々……ソウソウ・水が音を立てて、よどみなく流れるさま
模糊……モコ・ぼんやりして、はっきりしないさま
符牒……フチョウ・しるし
揺曳……ヨウエイ・ゆらゆらと漂うこと
あやなし……あやなす、巧みに扱う。あやつる。
直諫……チョッカン・遠慮なくいさめること
肥大漢……ヒダイカン
一拶……イッサツ
難詰……ナンキツ・てきびしく非難すること
暗涙……アンルイ・人知れず流す涙
荼毘……ダビ・火葬
継嗣……ケイシ・あとつき、相続人
論説……ロンセツ・物事の是非、解説
火口……ほくち
草根木皮……ソウコンモクヒ
蔬菜……ソサイ・野菜
提げ重……サゲジュウ・提げ重箱の略
簗場……ヤナバ・簗漁をおこなう、漁場。川に杭を打ち、すのこをはりめぐらせ、泳いできた魚をとる
叫声……キョウセイ
偏波……ヘンパ・偏っていて不公平なこと
逕庭……ケイテイ・二つの物の間にある隔たり
嗜食……シショク・習慣的に、また好んで食べること
便宜……ベンギ・よい機会。
じんすけ……情欲が強く、嫉妬深い性質
言辞……ゲンジ・ことばづかい
享有……キョウユウ・権利・能力などを、人が生まれながら身につけて持っていること
惑溺……ワクデキ・あることに夢中になり、本心を奪われること
催起……サイキ・あることをするように促すこと
末輩……マッパイ・仲間の末に連なる者
雌伏……シフク・実力を養いながら活躍の機会をじっと待つこと
暮夜……ボヤ・夜分
陰暗……インアン・陰気なこと、日当たりが悪く暗いこと
のべつまくなし……ひっきりなしにつづくさま
絶佳……ゼッカ・風景が優れて美しいこと
鄙……ヒナ・いなか。都市部から離れた地
朴訥……ボクトツ・かざりがなく、口数が少ないこと
賞味……ショウミ・食べ物のおいしさをよく味わって食べること
哀訴……アイソ・同情を引くように、強く嘆き訴えること
勉励……ベンレイ・一生懸命に努力すること
密訴……ミッソ・他人の犯罪などを密かに訴えること
惰夫……ダフ・意気地のない男
擾乱……ジョウラン・入り乱れて騒ぐこと
捕縄……ホジョウ・とりなわ。犯人逮捕に用いる縄
端倪……タンゲイ・推測
身共……ミドモ・わたし
運上……ウンジョウ・江戸時代の雑税、
治績……チセキ・政治上の功績
訴人……ソニン・訴え出ること
人士……ジンシ・地位や教養のある人
御光来……ゴコウライ・他人の来訪を敬って云う
勘考……カンコウ・よく考えること
寸志……スンシ・心ばかりの贈り物
先途……センド・勝敗運命の、大事な分かれ目
河畔……カハン・河の畔
踪跡……ソウセキ・しょうせき・足跡、あとかた
獄衣……ゴクイ・囚人服
苛斂誅求……カレンチュウキュウ・情け容赦なく、税金などを取り立てること
遡上……ソジョウ・流れを遡っていくこと
貸借……タイシャク・貸し借り
綱紀……コウキ・規律
紊乱……ビンラン・秩序風紀が乱れること
尺角……シャッカク・一尺四方の材木
怨嗟……エンサ・恨み嘆くこと
黙過……モッカ・知っていながら黙って見過ごすこと
鳴音……メイオン・ハウリング
僭上……センジョウ・身分を超えて出過ぎた行いをする事
乱倫……ランリン・論理に外れた行い。男女関係の乱れ
怪鳥……ケチョウ
根土……ネツチ・根に密着し続けた土のこと
喚声……カンセイ・興奮したり驚いたりしたときにハッする叫び声
私曲……シキョク・不正な手段で自身だけの利益を計る事
嬌羞……キョウシュウ・女性のなまめかしい恥じらい
哀訴……アイソ・哀願
媚態……ビタイ・人にこびへつらい取り入ろうとする大度
土百姓……ドビャクショウ・百姓を卑しめて云う
騒擾……ソウジョウ・集団で騒ぎをおこし、社会秩序を乱す事
円転滑脱……エンテンカツダツ・言動が角立たず自由自在な事
奇知……キチ・奇抜な才知
訴願……ソガン・訴え願う事
禅刹……ゼンサツ・禅寺
篤信……トクシン・信仰の厚い事
夫君……フクン・他人の夫の敬称↔妻君
淫祠……インシ・いかがわしい者を神として祀る事
土坡……どは・小規模な土手
遺址……イシ・遺跡
代言人……ダイゲンニン・弁護士の旧称
伏勢……フクゼイ・伏兵
去冬……キョトウ
便腹……ベンプク・たいこ腹
掃庭……ソウテイ・掃き清めた庭。または、植え込みが少なく、空き地の多い庭
資性……シセイ・生まれつきの性質や能力。資質。
刎頸の友……フンケイ・首を切られても後悔しない仲
遠近……オチコチ
おざなり……いいかげんに物事を済ませること
水干……のりをつかわず水張りにして干した布でつくった、狩衣の一種
一紙半銭……イッシハンセン・ごくわずかなもの
憂愁……ユウシュウ・うれえ悲しむこと
錯雑……サクザツ・まとまりがなくいりまじっていること
肝脳……カンノウ・肉体と精神
恣欲……シヨク・欲する気持ちのままに振る舞うこと、その欲望
■この動画の目次
0:00 ふしぎな密告者と屏風の絵
11:04 月下の脱出と安泰な場所
18:41 河原の霧と愛くるしい娘
28:52 松坂家の政治事情と牡丹亭
37:10 重要なものになった忠弥の位置
49:28 勝田仁四郎とその同志の人々
1:01:28 炭焼き権之允とその孫娘について
1:16:17 順二郎の無能とおまきの危難
1:29:20 若殿を付け狙う第三の存在
1:40:58 仁四郎とお梶との初めての対話
1:54:48 桐生と持家の出発と氷室の存在
2:07:21 計らざる災難と自然薯
2:20:23 ふたたび屏風の絵と嬌羞
2:31:51 神奈川宿における秘薬
2:39:09 みたび屏風の陰の物語
2:44:51 同情すべきお民の徒労
2:57:44 間奏曲としての挿話
3:11:33 持家益造の特異な能力
3:29:38 恋の恨みと四郎の存在
3:37:29 順二郎に怪力のあること
3:50:15 順二郎、信田代官と対面のこと
4:03:52 沼津の風光
4:17:49 牢舎の中の人々
4:32:28 政治的考慮と順二郎の席
4:40:55 過激思想と怪力のこと
4:52:54 新登場人物海野門太のこと
5:05:11 語り合う諸般の情報のこと
5:17:03 実力行為とその快感のこと
5:29:12 非理法権天と現実のこと
5:41:02 松陰寺の乞食
5:54:18 千本松原の決闘 一
6:08:09 千本松原の決闘 二
6:21:08 江戸邸の人々
6:33:59 忠弥は寓居において
6:40:21 黒姫山からの脱走
6:53:18 運命の別の糸
7:07:45 同志のそれぞれの動静
7:15:18 休息と情勢の眺観
7:23:25 持家益造の「ちょいとした」仕事
7:36:27 順二郎のひとつのめざめ
7:42:54 主従の対面と局面の展開
7:49:37 伊親はそう思う
8:04:34 忠弥は告白する
8:20:19 三人は居座る
8:33:03 お産には赤児がなければならない
8:40:00 江戸市中での狼騒ぎ
8:52:36 二重の出会い
9:04:18 緊迫する情勢
9:13:51 水は谷へ集まる
9:20:19 正義の声には力がない
9:31:21 二面対決
9:52:41 終わりにして始め
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