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各回のあらすじ・解説
📗風は追手(かぜはおいて)
■あらすじ:
主君・織田信長の訃報を受け、中国大返しを敢行した羽柴秀吉は姫路城に到着。休む間もなく、明智光秀を討つための出陣準備に取り掛かります。城の金銀米を将兵や家族に惜しみなく分け与え、士気を高める秀吉。自身の進退について悲壮な覚悟を語る一方、出陣日の吉凶を問う僧侶を「我にとって大吉日なり」と一喝し、その揺るぎない決意と前向きな姿勢で一座を圧倒します。そしてついに、一万余の軍勢は京へ向けて出陣。追い風に吹かれる旗印を見やり、秀吉は天が味方していることを確信するのです。
■解説と展開:
この章は、歴史上名高い「中国大返し」のクライマックス部分であり、秀吉の類稀なるリーダーシップが存分に発揮される場面です。驚異的な速度での撤退と、即座の出陣準備。この離れ業を可能にしたのは、彼の人心掌握術と合理的な判断力です。特に、縁起の悪い日取りを「生きて帰るつもりはないのだから、これ以上の吉日はない」と転換する思考は、秀吉の非凡さを象徴しています。これから始まる光秀との決戦に向け、読者の期待を最高潮に高める序章となっています。
■登場人物:
羽柴秀吉(はしば ひでよし): 主人公。信長の仇を討つべく、驚異的な行動力で軍を率いる。
黒田官兵衛(くろだ かんべえ): 秀吉の天才軍師。冷静に秀吉を補佐する。
亀井茲矩(かめい これのり): 因幡の武将。混乱の中、秀吉に琉球の領有を認めさせる抜け目ない人物。
羽柴秀勝(はしば ひでかつ): 秀吉の養子(信長の四男)。若き総大将として初陣に近い形で大軍を率いる。
📗涼しき頭(すずしきあたま)
■あらすじ:
尼崎に到着した秀吉軍。その報は近畿一円に衝撃を与えますが、多くの者はその速さを信じられずにいました。そんな中、去就が注目されていた摂津の武将、高山右近と中川瀬兵衛が秀吉の陣を訪れます。秀吉はあえて二人を待たせた上で、剃髪した姿で登場。主君への弔意と合戦への不動の覚悟を無言のうちに示します。その姿に感銘を受けた二将は、人質を差し出すことなく秀吉への味方を約束。秀吉の巧みな心理戦が、また一つ大きな戦力を味方につけることに成功します。
■解説と展開:
この章の圧巻は、秀吉のプロデュース能力です。ただ会うのではなく、あえて待たせ、そして「剃髪」という視覚的なインパクトで相手の心を掴む。彼の行動はすべて、相手に「この男は本気だ」「この男に乗るべきだ」と思わせるための計算された演出です。細川藤孝父子からの忠誠の誓いも取り付け、光秀を精神的に追い詰めていく過程が描かれます。軍事力だけでなく、情報戦と心理戦でいかに優位に立つかがこの戦いの鍵であることを示唆しています。
■登場人物:
羽柴秀吉: 剃髪して弔い合戦への覚悟を示す。冷静な交渉で味方を増やす。
高山右近(たかやま うこん): 高槻城主。キリシタン大名としても知られる。
中川瀬兵衛(なかがわ せへえ): 茨木城主。右近と共に秀吉のもとへ参じる。
細川藤孝(ほそかわ ふじたか)・忠興(ただおき)親子: 光秀と縁戚関係にありながら、秀吉への味方を誓う。
📗雷気(らいき)
■あらすじ:
決戦前夜、雷鳴が轟く不穏な空気の中、秀吉軍は尼崎で野営します。兵卒たちの会話から、自軍の正義と士気の高さを確信する秀吉。一方、大坂城の織田信孝(信長の三男)は、体面にこだわり参陣を渋ります。秀吉は苛立ちを覚えながらも、最後通告ともいえる書状を送り、自軍の進軍を優先します。斥候からの情報で、敵である明智光秀が筒井順慶の懐柔に失敗し、動揺していることを察知。夜が明けると同時に、秀吉は全軍に山崎への進軍を命じます。
■解説と展開:
いよいよ決戦の時が迫ります。この章では、現場の兵士たちの**「大義は我にあり」という確信が、軍全体の強さの源泉であることが描かれています。また、旧主の息子である織田信孝との確執は、戦後の新たな火種を予感させます。しかし秀吉は、そうした小さな問題にこだわらず、「光秀を討つ」という最大の目的**に向かって突き進みます。斥候を駆使した情報収集能力と、それに基づく的確な状況判断。秀吉の持つ「戦の天才」としての一面が光る章です。物語は、決戦の地・山崎へと向かうところで幕を閉じ、読者の緊張感は頂点に達します。
■登場人物:
羽柴秀吉: 大局を見据え、非情ともいえる決断で軍を進める。
織田信孝(おだ のぶたか): 信長の三男。総大将となるべき立場だが、プライドが邪魔をし、行動が遅れる。
丹羽長秀(にわ ながひで): 織田家の宿老。信孝を補佐するが、秀吉の勢いを止められない。
明智光秀(あけち みつひで): 敵将。その名は出るが姿は見せず、孤立しつつある状況が示唆される。
筒井順慶(つつい じゅんけい): 大和の武将。光秀の誘いを断り、洞ヶ峠で日和見を決め込む。
📗総集編で新書太閤記
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✿作者と作品について
◆作者:吉川 英治(よしかわ えいじ)
1892年(明治25年)- 1962年(昭和37年)。日本の大衆文学を代表する小説家。神奈川県出身。本名は英次(ひでつぐ)。『宮本武蔵』『三国志』『私本太平記』など、歴史を題材にした数多くの国民的ベストセラーを執筆し、「国民文学作家」と称された。その作品は、平易でありながら格調高い文章で、幅広い読者層から支持を得ている。1960年、文化勲章受章。
◆作品:『新書太閤記』(しんしょたいこうき)
吉川英治が1938年(昭和13年)から新聞連載を開始した歴史小説。豊臣秀吉の生涯を、織田信長に仕える以前の若き日から天下統一を成し遂げるまで、生き生きと描いている。本作は、従来の講談や立身出世物語としての秀吉像に、人間的な深みと魅力を与え、新たな「太閤記」として絶大な人気を博した。戦国時代の動乱を背景に、秀吉をはじめとする武将たちの葛藤や野望、人間模様が巧みに描出されている。
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■主題歌つきライブまとめ
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■新書太閤記再生リスト
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■この作品は、当初読売新聞に1939年1月1日から1945年8月23日まで、掲載されました。
以降の原稿は、「続太閤記」としていくつかの地方紙に掲載されました。前半の中断は、終戦が原因となったそうです。
日本の天下を統一した豊臣秀吉の生涯を昭和の文豪が描く!
#吉川英治 #長編 #朗読 #小説 #七味春五郎
◆再生リスト主要なもの
🌱山本周五郎2025年度版再生リスト
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